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佐川急便 株主総会。怒号が飛び交う。「こんなのが社長やっとるなんて、最悪や」

文春オンライン



「ちょっと待って。議長の横暴や! やめてまえ、そんな猿芝居。

佐川なんて潰れたらいいねん。

こんなのが社長やっとるなんて、最悪や」




 6月28日、こんな怒号が飛んだのは、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスの株主総会だ。

同社が昨年12月に、東証一部に上場してから初めての株主総会が、京都市内のホテルで開かれた。




冒頭の怒りの声が上がったのは、私の質問を議長である町田公志社長が早々に切り上げ、強引に

採決に入ろうとした時のことだった。




 私が『仁義なき宅配』(小学館、2015年刊)で宅配業界について書いた時、最も苦労した取材先が佐川だった。

同社のトップである栗和田榮一会長が記者会見に応じたのは、ここ数年で一度だけ。

私が、本誌で書いた佐川の残業代未払いを新聞、テレビが報じた際も、その総額の公表には応じなかった。




私は、宅配業界1位のヤマト運輸の労務管理や情報公開への姿勢を批判してきたが、

佐川の閉鎖的な体質はヤマトをはるかに上回る。



 ただ、今や佐川は、一部上場企業の中核事業である。

そこで、私は株主となり、公開の場である株主総会で情報公開を求めることにしたのだ。





 私が質問できたのは5番目だった。

尋ねたのは2問。



そのうちの一つが、佐川が前期にドライバーに支払った未払い残業代についてだった。

 佐川の支払い方には二つの問題点があった。




一つは、支払いを過去1年に限ったこと。

労働基準法で認められた請求年数は2年で、違法の疑いが残る。





もう一つは、総額を公表していないこと。

既にヤマトは200億円以上に上ると公表しているが、上場企業にとって、その金額が10億円なのか、

100億円なのかでは、投資判断にも大きな影響を与える。
 町田社長はこう答えた。




「出退勤の管理を厳密にしていく。

過去のエビデンス(証拠)を元に不都合があった場合には対処していく。

また、(未払い残業代は)金銭をもって精算したということは事実だが、それに基づいての前期の業績

ということでご理解いただきたい」



 株式を広く公開する上場とは、社会の公器になること。

だが、SGホールディングスが、その意味を理解しているとは思えない株主総会だった。
(横田 増生)
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