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素晴らしい教科書。「学び舎」の歴史教科書。次回検定に向けた改訂作業の支援募る


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 先生が教えやすい教科書ではなく、子どもたちが学びたくなる教科書をつくろうと、中学の教師らが

自らの資金を出しあってつくった出版社「学び舎(まなびしゃ)」が、中学歴史教科書の

新しい学習指導要領にあわせた

改訂作業を進めるためにクラウドファンディングに取り組んでいる。




 学び舎は2016年度用から新規参入。

日本政府が慰安婦について「お詫びと反省」を表明した1993年の「河野談話」を掲載し、

中学校の歴史教科書では10年ぶりに慰安婦の記述が復活したことでも話題になった。




同社によると、改訂には数千万円の費用がかかるが、「これからも多くの子どもたちにこの教科書を届けたい。

多くの方に教科書の存在を知ってもらい、応援してもらいたい」と支援を募っている。



 「アンネの日記」を書いたアンネ・フランク。映画「ローマの休日」で知られるオードリー・ヘプバーン。

ともに1929年生まれの2人は第2次世界大戦の同時期、ドイツ占領下のオランダにいた。




 学び舎の中学歴史教科書では、欧州での戦争を採り上げた「戦争と二人の少女―ヨーロッパの戦争―」

というタイトルの章の冒頭に、この二人の写真を掲載している。




「1942年9月28日:ぜったいに外に出られないってこと、これがどれだけ息苦しいものか、

とても言葉には表せません...」




 本文ではアンネの日記の文章を引用しながらユダヤ人の迫害について記し、オードリーが

ドイツ軍に対する抵抗運動(レジスタンス)に加わっていたことを紹介。

のちにオードリーがアンネの日記について、「アンネは私自身でもあった」と語ったことにも触れている。




 他の章も見開きで、左ページの冒頭には大きな図版を載せている。

産業革命では工場で働く子どもたち、戦後の原水禁運動では第五福竜丸の被爆を伝える新聞と

映画ゴジラのポスター......

 具体的なものを見せ、子どもたちの興味や疑問を誘うのが狙いだ。




 「あるページを見ていたら、子どもが他のページもめくって自分で読みたくなる教科書にしたかった」

 制作に携わった「子どもと学ぶ歴史教科書の会」の副代表・山田麗子さん(65)はこう説明する。
 先生が教えやすい教科書ではなく、子どもたちが学びたくなる教科書を――。




 そんな思いで同会が活動を始めたのは2010年。

執筆はすべて、現場で社会科を教えてきた教員・元教員らが担当した。

「実際に何十年も授業をやってきて、手応えを感じたものを練り上げて書いた」




 教科書では重要語句を太字にするのが一般的だが、子どもたちを暗記に誘導してしまうかもしれないと

考えてやめた。



 会のメンバーは退職金や貯金を持ち寄り、2013年に学び舎を設立。

文科省の検定に提出した最初の本は、時代区分が学習指導要領に沿っていないなどの点が

不適切と判断され、いったん不合格となったが、再申請の末に合格した。




 教科書の新規参入は難しく、現在採用されているのは38校。

慰安婦の記述が話題となったことで、採用した学校には政治家から「なぜ選んだのか」という

問い合わせがあったり、匿名の抗議はがきが大量に届いたりしたこともあった。






 一方、採択した学校からは「子どもがさまざまな発見や疑問を口にする」

「休み時間まで教科書を読んでいる生徒がいる」などの好意的な反響があるという。



「特定の『○○史観』を押しつけるのではなく、子どもたちが一生かけて歴史観を培っていく

題材となるように作った。

この教科書から、いろんな授業が生まれてほしい」と山田さんは話す。




 今回のクラウドファンディングは3月20日に開始した。

 改訂作業の費用として見込んでいる4000万円超の費用のうち、当初は「図版やデザイン制作に当面必要」

な費用として500万円の目標を掲げていたが、6月中旬に達成した。




 子どもと学ぶ歴史教科書の会は「予想以上の反響を得て、これまでにつながりの全くなかった

多くの市民の方々からも心のこもったメッセージとご支援をいただくことができました。




皆さまからの励ましや教科書への称賛の言葉に心から感動し、この歴史教科書の存在の社会的意味を

再確認することができました。

永続的な教科書づくりに必要な次の目標1000万円達成に挑戦いたします」と、さらなる支援を募っている。



 支援受け付けは7/17まで。

プロジェクトの詳細は、https://a-port.asahi.com/projects/manabukai/

(伊勢剛)

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